エッセイ

晴れ間を生きる

201505/21

   柔らかな花の季節から一雨ごとに艶やかさを増す新緑の候、ペナントレースの順位も落ち着きを見せ始めシーズンの先行きが徐々に明らかになってきた。  そして神宮外苑のいよいよ茂る樹木とは裏腹に、パッとしないスワロ…

ビールの苦味

201505/17

   カメラを鞄に入れ忘れて外出してしまった日はどうも味気ない。フィルムを買うお金がなくて装填できずにいる時もそうだ。景色がもったいない、とは妙な言い方だが目に映り通り過ぎていくものたちを惜しく、愛おしく感じ、…

子房摘み

201505/13

   つつじの花びらの根もとを唇ではさみ、蜜を吸いだしては「今年はいい咲きだ」と談笑しているおじさんたちが公園にいて、見上げる五月の陽光が目に染みた。  僕の郷里、群馬県館林市。最近では日本一暑い町として知られ…

第22回別冊スクラップブック『二枚のデッサン』

201501/25

   予定日は12月2日で、生まれたのは14日。われながらのんびりしていたと思う。いや、出てくることに対し最後までしりごみしていたのではないだろうか。その逡巡は妊娠三ヶ月目に切迫流産しかけたという話からもうかが…

精叫華幻樂団の紹介

201409/01

  2011年、夏。精叫華幻樂団の合宿にて。     2011年秋、その舞台『生狂乱舞♂/♀』を終えて。     そして2014年の秋、再びこの劇団が動き出した。 &nb…