エッセイ

シカミミの絵日記15『お掃除』

201403/20

     それは突然やってきた。ぼくは雷に打たれたように新宿駅地下の雑踏に立ち尽くした。行き交う人々の足音がいつもより大きく聞こえる。ぼくは動けないでいた、便意に催されて。    あまり刺激…

シカミミの絵日記14『北面の竹』

201402/28

     「もう誰も知らないだろうけど」と父は言った。「大山倍達先生は道場生によく“北面の竹”の話をした。寒く、厳しいところで育った山の北面の竹は、尺八にしたときに良い音がする。それに対し、日当たりの…

シカミミの絵日記13『冬の旅』

201401/19

   Pコートを身にまとい少し足早に風を切って歩き、道端の自販機で買った缶コーヒーを握りしめ、通勤電車にすべり込む。冷気でこわばった顔がだんだんと和らぎ、流れゆく景色をなんとなく見やっていると、このままどこか遠…