Notes

シカミミの文章

詩No.1『セルジュとマリー』

201402/04

  マディソンスクエアガーデンの第七公演で ムショ帰りのボクサーと22歳のジプシーが 風の弾丸を撃ち合った   ルポルタージュしたセルジュの評判はどんどん高まり 周囲を驚かせた 彼はただシェリーとシェ…

シカミミの絵日記13『冬の旅』

201401/19

   Pコートを身にまとい少し足早に風を切って歩き、道端の自販機で買った缶コーヒーを握りしめ、通勤電車にすべり込む。冷気でこわばった顔がだんだんと和らぎ、流れゆく景色をなんとなく見やっていると、このままどこか遠…

シカミミの絵日記12『青春のグラス一杯目 / 成人の日に』

201401/13

   毎年のことだが、今日が成人の日だと気づくと、自分がお酒をはじめて飲んだのはいつだったろうかと必死に思いだそうとするも、その味も情景もまったく忘れていてもどかしい気持ちになり、そうだ、とりあえず一杯やろうと…

シカミミの絵日記11『海の向こうと、こちら側』

201401/12

  “星のかわりに 夜ごとことばに火がともる。 生きることほど、人生の疲れを癒してくれるものは、ない。” ウンベルト・サバ    須賀敦子が愛した詩人、サバの一節より。これはミラノを詠んだものらしい。…