妻鹿日記(202)ロックアウト
202401/16
妻しか(鹿)日記
登場人物:私…鹿 妻…妻
第202回:妻としか入れない
* * *
DXシカミミに悲劇が襲った。
玄関の電子錠が突然、開かなくなったのだ。
サムターンが全開まで回りきらない。電池の力が弱まっているようだった。
非常に困った。コンビニ帰りのため、軽装だったのだ。寒波が身に染みる。
妻は残業で遅くなるという。だから夕飯を買いに行ったわけだが、エコバッグを提げたまま、家に入れなくなった。
落ち着け! シカミミ! 非常時の開錠を探るんだ!
9V乾電池を電子錠の端子に外から当てる。それが答えだった。
シカミミはその四角いやつを探しにさきほどまでいたコンビニに戻ったが、ない。近くの他のコンビニにもない。サンダル履きの男(鹿)が、夜の街をどんどん遠くへ歩いていく。
家電量販店に行くしかない。そう覚悟したときには、閉店時間まで約10分。電車に乗り、家電屋が入る駅ビルへ急ぐ。閉店間際に店舗に駆け込み、
\(◎o◎)/!9Vドコデスカ-
と叫んだ。(心で。)
笑顔で店員さんがやってきて、閉店時刻を過ぎてもしばらくやっている旨をうかがう。
汗がどっと噴き出た。無事に入手し、サンダル鹿が来た道を返す。
再び玄関前に到着。震える手で電池を開封し、電子錠に当てる。暗証番号を押すと…
…ガチャリ。開いた!!!
つけっぱなしのテレビの前でむせび泣き(心で)、妻に奮闘記を連絡。
妻|(‘ω’)ノコンビニ アッタヨー
帰ってきた妻は、駅前の小さなコンビニに9Vがあったことを鹿に告げた。
鹿は大きい方を何件か回っていた。悲劇ではなく喜劇だった。
DX化の注意点としてここに記す。
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