妻鹿日記(59)お約束の
202003/02
妻しか(鹿)日記
登場人物:妻…妻 私…鹿
第59回:妻しかわからない その14
* * *
ランニングシューズを買いに行った。父鹿と母鹿との会食で、また腹を指摘されたのである。
💨 💨 💨
鹿はこうなるまえは、陸上トラックを駆け回るアスリートだったので、靴選びはそこそこ慣れている。
鹿「これください」
すぐに決まった。つぎは妻の番だ。
足のサイズだけでなく、歩き方や姿勢などもみて、見繕ってみた。
鹿「これはどう?」
妻「ピンクはいや」
鹿「これなんか合いそうだけど」
妻「(メッシュをみて)ピンクがある」
鹿「ほかにサイズがあるのは……これは?」
妻「(靴底をみて)ここにピンクが…」
鹿「前世でピンクになにかされたの」
箱根駅伝をみてもわかるように、いまはピンクが大流行。例の厚底シューズでなくても、それにあやかってか、ワンポイントに差し色にピンクが使わているものが多い。
妻にとっては、辛い時代になってしまった。
走るまえから、立ちはだかるピンクの壁。
結局、別のサイズで足にフィットする形を選び、ふたりスタートラインに立つことができた。
ちなみにその色は、黒だった。
[…] ランニングシューズを買いに行って、気づいたことがある。陸上競技のスパイクに、ほとんど“角度”がないのだ。 […]