GW見聞録2019④「立川にて」
201905/05
Category : Notes ・ 別冊スクラップブック
動画で紹介したように、深谷シネマは映画愛に満ちあふれたすばらしい映画館だった。
府中と立川は意外に近い。立川といえば、シネマシティというこれまた良い映画館がある地だ。
そして「昭和記念公園」という、それは広い広い公園もある。
“令和”になっても“昭和”との出会いが多い旅である。
ネモフィラやチューリップがとても綺麗に咲いていた。
そして、イングリッシュガーデン風の庭園に足を踏み入れたところ、ある“花”に目を奪われた。
「春菊」と書いてある。
春菊を「キク科シュンギク属に分類される植物」として初めて鑑賞した。
* * *
その庭園内で通り雨に降られて、屋根つきのベンチに駆けこんだ。
遠くに見える夕映えの空と、雨に濡れて匂い立つ木々、そして滴をたたえて緑を濃くした葉の感じが、新海誠監督の『言の葉の庭』の雰囲気を醸しだす。
抒情的な空気に包まれ、これも悪くないと思っていたが、出るタイミングを見計らうのが難しい。
止んだと思って歩きだすや否や、またつぎの雨雲に降られて戻るのを繰りかえす。
いつしかベンチは『言の葉の庭』の抒情を離れて、ただの「セーブポイント」と化していく。
そして、つぎの屋根つき休憩所を目指して、「セーブポイント、セーブポイント」と駆け回ることになった。
でも、雨上がりの空は、ほんとうに綺麗で、美しかった。
『言の葉の庭』のふたりも、再び歩きはじめられそうな空。また映画を観たくなる夕暮れだった。
【宣 伝】 映画サイトCinemarcheにて「新海誠から考える令和の想像力──セカイからレイワへ──」を連載中!
コメントを残す