第7回スクラップブック『ワークウェア考』
都庁前クリニック連載 スクラップブック
第7回『ワークウェア考』http://www.tochomae.jp/scrap/vol7.html
2013年6月7日公開
今回は生活の基礎にある「衣・食・住」の三つの要素のうち「衣」に着目したエッセイを掲載しました。
“いきなり衣服の話?”と不思議がる人もいるかもしれませんが、スクラップブックは毎回「生」を見つめています。もし生きることの根本に立ち返り、「既存の枠組みからの脱出」や「人々の助け合い」を説くならば、生にもっとも近い衣食住をしっかりと見据える必要があり、そこに潜む意味や思想を掘り起こさなければならないと、ぼくは考えています。
その第一歩としての『ワークウェア考』です。このエッセイは竹脇虎彦さんのインタビューを通じて書かれました。竹脇さんとその使い古されたワークウェアが語りかける瑞々しい言葉に耳を傾けると、思想は理想のように宙に浮いた存在ではなく、たとえば服飾に受肉しているとわかります。(ここではバブアーのジャッケトに。)
つまり「思想の場」はイデアの世界にあるだけではなく、個々人の生きる道にも確かにあり、むしろ日々の実践の軌跡である「仕事の場」をそう名づけたものと見受けられます。先立つものは“道”であり、振り返れば“哲学”が生じている。そんな関係が、いちばん魅力的ではないでしょうか?
生の営みに目を向けて、“生の魅力”を引き出すこと。「仕事」についてはクラフトの回で触れましたが、それならば「仕事着」についても思想があるはずです。また菩提寺医師からはコム・デ・ギャルソンの話題を提供され、そこでもやはり「仕事」という存在が浮かび上がってきました。
一見すると別々の話として読めるものの、実は通奏低音が流れていて(「仕事」と「ワークウェア」、そして「働くこと」をめぐる物語性)、それは次回にも引き継がれていきます。ぜひ続編もご期待ください。
※この竹脇さんのインタビューは、光世さんもrengoDMSのmessageで取り上げています。一つの場を多角的に眺めることのできる面白い試みです。
『領域』 http://www.rengodms.co.jp/message/2013/05/post-4.html
またこちらも同じ関心を別の角度でとらえるようなエッセイであり、“通奏低音”が掲載の枠を超えて響き合う展開となっています。
『イデアと形式』 http://www.rengodms.co.jp/message/2013/06/post-5.html
今後、この“応答関係”もお楽しみいただけると思います!
※後日、読み返していたら自分でも「コム・デ・ギャルソン」が欲しくなり、古着屋に走りました。
その体験もエッセイにまとめましたので、ぜひ合わせてご覧ください!
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