妻鹿日記(167)革の味
202202/01
妻しか(鹿)日記
登場人物: 私…鹿 妻…妻
第167回:妻としか持たない
* * *
弁当箱も、タンブラーも入るトートバッグが欲しくなり、妻と一緒にとあるブランドショップに行った。
入店するや否や、店員さんに足元と鞄を見られる。
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
鹿はこれを予想しており、そこそこの革靴とバッグを身に着けていた。変装のようなものである。
店員「革がお好きなようで、ぜひ奥様と中へ…」
蕎麦屋につづき、ここでも“奥様”認定。友だちにもカップルにも、もう見えないようだ。
まあ、接客時のそういうルールがあるのかもしれないが、恋人同士に奥様・旦那様と言おうものなら、それはそれで気まずいだろう。
要は、夫婦である、という確証を少しくらいは持っていたはずで。
そうやって店の奥に通され、「こっちがいい」「これはどうかな」などと話し合っていたら、
店員「旦那様のお買い物に付き添われる奥様は素敵ですね」
と、お褒めにあずかった妻。
(ノ´∀`*)
聞くと、少なくない夫婦が、待っている間にどこかふらついていたり、スマホをいじったりしているらしい。
また、電車のなかを想定し、バッグを膝に乗せて隣の邪魔にならないか確認していたら、
店員「ここまで他人を気遣える方がいらっしゃるなんて!」
と、またまた絶賛された妻。
(〃ω〃)
こんな感じでやり取りしながら、気持ちよく、満足のいくバッグを手に入れた鹿であった。
営業スキル、と言ってしまったらそれまでだが、購入時の感情や思い出が染みついた品というのは、ネットショッピングでは得られない価値が入っていると思う。
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