妻鹿日記(166)お蕎麦の味
202112/27
妻しか(鹿)日記
登場人物: 私…鹿 妻…妻
第166回:妻としか食べない
* * *
自宅周辺には蕎麦屋が多く、妻と渓谷を散歩したあとに、暖簾をくぐる日曜の昼下がりなどは、心の底から安らげるときだ。
リタイアしたら、毎日がこんな日々なのかなと夢見つつ、天ぷらを肴に徳利を傾ける。
最高だ。オトナの休日感。もうなにもいらない。
また先日は、店員さんが「ご家族ですよね」と言って、テーブルの上のアクリル板を取り払っていったのが、どこか嬉しかった。
そうか、傍から見ても“夫婦”のかたちに収まっているのか。
所帯じみてきたということかもしれないが、日常の積み重ねは夫婦の誇りである。
滋味深き、お蕎麦のように。
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