コラム執筆『うみべの女の子』

202107/21

連載コラム「映画道シカミミ見聞録」7月分が掲載されました。

第58回|映画『うみべの女の子』感想評価と解説レビュー。実写で石川瑠華×青木柚の青春ドラマの先に輝く“残酷な希望”

浅野いにおの同名漫画を忠実に映画化。

青春ドラマとはいっても甘酸っぱい“ノスタルジー”に浸れることはなく、かつての少年少女たちの“トラウマ”を刺激するような生傷の絶えない映画です。

通常、こういった作品はもやもやしたものを抱えながら観ることになりますが、本作の場合は計算された無駄のないショットとあいまって、胸には清々しい風が吹き抜け、過去の自分が成仏するような心持ちになります。

性を激しく描きながらも清潔にみえるところは、まさに“限りなく透明に近いブルー”といった感じでしょう。

残酷さの先にみえる光が、映像的(光学的)にも表現されているシーンがあり――それはエリック・ロメール監督の『緑の光線』を想起させます――いま、生きている場所での自己肯定感も得られるはずです。

2021年8月20日(金)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開です。ぜひ“幸せの光“をご覧ください!

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