妻しか（鹿）日記

登場人物： 私…鹿　妻…妻

第136回：妻としか住まない　その25

＊　＊　＊

引っ越しからちょうど一ヶ月。注文していた表札をとりつけた。名字が漢字で、読みがローマ字で書かれているもの。

妻｜٩(๑´3｀๑)۶

鹿｜＼(^o^)／

賃貸では個人情報やなにやらが心配で、なるべく名を隠して住んでいたが、今回は覚悟をもって表示した。

家（≒ローン）を背負うとは、社会におけるこの名に責任をもつこと。出勤や帰宅のたびに名前を見上げ、気を引き締めるのだ。

でも、家に上がればすぐにダラ～ン。オンとオフを与えてくれる家、サイコー。

実のところ幸せとは、満足な体験だけではまだ不十分で、それについてゴロゴロしながら思い出すようなひと時があってこそ、感じられるものではないか。

表札をピタリと貼ったとき、なにかバランスがとれたような気がしたのは、そんな“必要十分条件”がはまったからだろう。