妻鹿日記(127)おうち探し⑭「引っ越し準備」
妻しか(鹿)日記
登場人物: 私…鹿 妻…妻
第127回:妻としか住まない その16
* * *
残すは決済・引き渡しのみ。順序としては引き渡し → 引っ越しだが、さきに引っ越しの準備をしておかないと、すぐに住むことができない。
というわけで、決済日を迎えるまでの間、コツコツと諸準備を重ねていった。
それはそれは、たくさんある。引っ越し業者の選定から、電気、ガス、水道、ネットなどの転居手続き、住民異動届や印鑑登録といった行政手続き、そして住所変更に伴う書類、証明書の更新手続き……。
鹿|ドラゴォォォ!!!
比較的融通のきく鹿がぜんぶやってみせよう! またそれが家を買った責任というもの!!
妻よ、安心して、かっこよく、働いていてくれ!!
実際に手続きしてみると、行政手続きなどは、思ったほど手間ではなかった。
世帯主が届け出をすれば、済むものがほとんどである。
こういうとき、“婚姻パワー”を感じる。その制度の良し悪しとは別に。
制度的に「結婚」すれば、当人たちの性格はなにも変わらないのに、夫となった者、妻となった者の行政上の権限が拡大する。
鹿は世帯主として、妻を“自由に”転出、転入させられる。悪いやつだったら勝手に住所を変えて、世帯員を“網走番外地”に連れて行くこともできる……!
加えて不思議なのは、転入先の住所の証明がなくても転入届を出せること。
鹿はもちろん嘘はつかないが、物件の住所を区役所に届け出るとき、すこしドキドキした。
職員A|(えーほんとうにここなのー?)
職員B|(こんな身なりで、●丁目のあそこに住めるのー?)
そんな心の声が……。というのは冗談で、どこよりも親切に対応していただいた。
登録を済ませたあと、区の指針や理想を説く冊子を手渡され、それも非常に意識が高いものだった。
妻鹿は、物件だけでなく町にも恥じぬ区民になることを誓ったのであった。
( ´∀`)bグッ!
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