妻鹿日記(118)続・言葉のコミュニスト
202011/10
妻しか(鹿)日記
登場人物: 私…鹿
第118回:鹿のぼやき その14
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匿名の方々の声のほかに、稀にだが、著名な方からのご推薦もいただく。
鹿の人生において、東ちづるさんと接点が生まれるとは、想像だにしなかった。
一方で監督ご本人による紹介も、身の引き締まる思いになる。
“ペンの力”が“大きな声”にかき消されそうな時代であっても、愚直にがんばろうと信じられる。
むしろこんなご時世だからこそ、挑発するのでも、逆張りをするのでもない、真面目な姿勢が目立つのではないか。
言葉は憎悪の両極に立つものではない。絶えず融和を目指し、矛盾に耐えようとする力を指す。
「ペンは剣よりも強し」というのは、暴力の次元における優劣ではなくて、暴力を行使せずとも自律的にある価値を保証できるペンの優位性を説くものだ。
ペンで突き合ってもしょうがない。長く、時間がかかるが、相手の言説に耳を傾け、言説それ自体を鍛え上げていく孤独な力がいま求められている。
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