妻鹿日記(111)おうち探し序説
202010/27
妻しか(鹿)日記
登場人物: 私…鹿 妻…妻
第111回:妻としか住まない その2
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コラムを書いた『天井棧敷の人々 4K修復版』には気の利いた台詞がたくさんでてくる。
“愛し合う者同士にはパリも狭い”がおそらく一番有名だが、鹿は“貧乏人から愛まで奪うな”というやつが好きだ。
貧乏人には当然、金がない。しかし金がないからこそ、少しの愛に希望を見いだし、大きな夢をみることができる。
この類の“夢”は、妻鹿の家探しにも当てはまる。
大富豪だったら絶対に見いだせないであろう物件ごとの違いに、一喜一憂することができる。
いま目星をつけている物件は、金持ちだったら悩むまでもない選択肢に映るかもしれない。
一方で、さまざまな条件に縛られ、難しいパズルを組むようにして見つけた物件は、とてもありがたく感じられる。
購入すれば大事に住むだろう。
この「貧乏人の美徳」に「夢の原産地」がある。
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