妻鹿日記(98)ムサコ昔話
202007/06
妻しか(鹿)日記
登場人物: 私…鹿 妻…妻
第98回:妻しか縫えない
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我が家にミシンがやってきた。
マスク需要の高まりと、カビカビの服を捨てた際にでた多くのハギレをうけて、妻がマスクをつくってくれるというのだ!
ただでさえ忙しい妻。鹿が休日出勤の日に一気に仕上げて待っている、と言ってくれたときには、涙なくしてはその顔を拝めなかった。
鹿「(ありがとう、ありがとう)……ただいまー!」
耳慣れたゲーム音が聞こえてくる。
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あつ森ピコピコー
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お昼寝グーグー
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焼き肉ジュージュー
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鹿は作ってもらう手前、なにもいいだせず、布団に入った。
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シュババババ!
シュババババ!!
シュバババ!!!
真夜中、鶴よろしく“機織り”の音が聞こえてきた。
そっとのぞくと……
(☆ω☆)
覚醒していた。
翌朝、それは美しいマスクが添えられていた。
[…] 妻の手づくりマスクは、市販品よりもずっと快適で、手入れもしやすく、“追加発注”をしてしまった。 […]