妻鹿日記(53)ぼやき

202002/14
Category : Notes妻鹿日記 Tag :

妻しか(鹿)日記

登場人物:私…鹿 妻…妻

第53回:妻しかいない

* * *

鹿はヤクルトファンなので、野村克也監督の訃報に接したとき、妻から「大丈夫?」と声をかけられた。

やはり悲しい。弱者が強者にいかにして勝つかという戦略は、特にスポーツをするでもないこのデブ鹿も参考にしていた。

成績はもとより、言葉を残せる人物は、そうはいない。

「女をとるか、野球をとるか」

南海ホークスで去就を決する際、そう問われたノムさんは、こう答えたそうだ。

「仕事は世の中にたくさんあるが、沙知代は世界にただ一人しかいない」

たしかに、そのとおりだ。鹿もそうありたい。

だが、いまはまだ、

妻 or 妻

の状態。仕事で名を残さねば。

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