妻鹿日記(32)好機
201912/06
妻しか(鹿)日記
登場人物:妻…妻 私…鹿
第32回:妻しか見抜けない その7
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妻にもっと感謝しなくてはならない。鹿がこの1年で書いた連載コラムは15本ではなく、25本だった。
鹿は今年、2本の連載をしていたのであった。それを思いだした。
「映画道シカミミ見聞録」と「新海誠から考える令和の想像力」。とくに後者の新海論は、妻の存在がなければ書けなかった内容となっている。
まったくの別人だけど、コミュニケーションがとれる。向きあえる。理解しあえる。
これはどういうことか。相手が他者であることは、争いの種ではなく、自分ひとりでは手にすることのできない果実をもたらす。
もしこういった可能性があるのならば、世界各地に敵対関係を胚胎している令和という時代が、むしろチャンスになるのではないか。
危機は好機に。そして鹿はそれが決して“可能性”ではないことを、妻との出会をとおして知っている。
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