第39回 福袋を買ってみた

201801/01

 

髭剃りを求めにビックカメラへと出向いた。元旦のシェービングで肌に痛みを感じ買い替えるなら今しかないと思ったからだ。正月には様々な験担ぎが行われるが、三が日を過ぎた残り362日を待っているのは日常であるわけだから、新年にシェーバーを新調することほど有益なものはない。そのあたり家電量販店もよくわかっていて、福袋にズバリ髭剃りや美容用品が用意されていた。

 

 

閑散とした都心の街並みとは対照的に例年人であふれるこの時期のTwitter。そこでのトレンドの一つに「福袋の中身は何だったか」が挙げられる。毎年タイムラインを追っては「年明けから皆せわしないな」と布団から批判的眼差しを向けていたが、きょうそれまでの寝正月の敗北を思い知らされた。いやあ福袋は確かにいいですね。

 

資本主義はいつ何時も‟頭”(‟capital”ism)なんだから、“初”売り“初”買いなんてまったく無意味だと平生に暮らしてきたが、福袋の魔力というのは確かにある。その力の一部にはおそらく「贈与」があって、資本主義の歪みを少しでも正すために社会には贈与交換が埋め込まれていると誰かが言っていたが(クリスマスとか)、その通りかもしれない。いくら型落ちといっても価格破壊が過ぎる。ブラウンのシリーズ7が税込み8,000円強はないだろう。価格ドットコムで調べたが同機種は今でも底値は21,739円だ。

 

 

最高の深剃りへ――ブラウン。
三度の飯の次くらいに深剃りが好きな自分にとっては良い福であった。毎朝の髭剃りにはとても苦労している。朝はエステ広告の女性のような肌でいても、夕方にはELTのいっくん(うたばん的いっくん)みたいになっている僕は、濃いわりには肌が弱いという非常に扱い辛い体質を持っている。そのため剃刀とシェーバーを日ごと交互に使っているのだが、深剃りという点でシェーバーには困っていたから、これからはこのシリーズが出勤を応援してくれることだろう。

 

新年から髭剃りやいっくんの話で申し訳ない。話題を変えるとして、実は他の福袋も買ってしまった。音楽の分野である。去年はスマホやワイヤレスイヤホンを買ったりしてミュージックライフが飛躍した年でもあったが、室内のオーディオ環境はいまいちであった。歩いて聴くポータブル機器に満足を得ると、自室でじっくり味わう音の環境も欲しくなる。結論から言えばBluetoothで繋ぐことのできるスピーカーを購入したのだが、やっぱり紅白なんていらないねと思うほどに今テンションが上がっている。

 

 

開けて出てきた「JBL FLIP3」は、そう広くはない室内に音を飛ばすには全く申し分ない。まるでライブハウスのような臨場感。もちろん他にも良質なBluetoothスピーカーはあるはずだが、数が多く俗に言う「選択のパラドクス」に陥っていた自分には、福袋という仕組みがちょうど良く役立ってくれた。最初はわけもなくYMOのライブを流そうと決めていて、想像した以上に『アフター・サーヴィス』が気持ちよく響き渡り、踊っていたらあっという間に“散開”となった。続いてバービーボーイズの渋谷公会堂でのライブをGoogle Play Musicから再生している。

 

このスピーカーは通話もでき、Siriと繋げは色々としてくれるというから、『ブレードランナー2049』で観た“エア彼女”の世界はもう間近に迫っている。正直、自分へのプレゼントにAIスピーカーはどうかと逡巡していたのだが、自分なりに後戻りできない一線を越えてしまう気がしてやめておいた。代わりにこのBluetoothプレーヤーで遊んでいる次第で。

 

あけましておめでとうございます。今年も温かくお付き合いいただけましたら幸いです。