妻鹿日記(160)不肖の鳥
妻しか(鹿)日記
登場人物: 私…鹿 妻…妻
第160回:妻としか見ない
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先日、放送を終えた『8月の夜はバッティングセンターで』。バッティングからその人の悩みを見抜くという面白いドラマだったが、指南役のゲストに古田敦也が登場した回は興奮をおさえきれなかった。
選手生活の晩年、プレイングマネージャーとしてみずからの成績を犠牲にして指揮を執った理由を問われると、
“だってこのチームが好きだから”。
スワローズファンにはたまらない一言!!
そして実際の雰囲気も今まさにそんな感じだ。
浮き沈みの激しいチームだが、連帯感に火がついたら一気に燃え上がる。
このまえなど、中継のCM時に向かいの冷蔵庫(カ●ヤス)にお酒を買って戻ってきたら、妻が飛び跳ねていてびっくりした。なんと二者連続のホームランで追加点を上げていた。なんという一瞬のドラマ!!
野球が奥深いのはこのあたりで、その都度いくら戦力を補強しても流れをつかまなくては勝ち続けることはできず、“弱者”にも勝利ばかりか優勝の可能性まで残されているのがいい。(たとえ96敗しても最下位が続いてもファンを飽きさせない。ちなみに今年は昨年とほぼ同じメンバーである。)
それを表立ってアピールしたのが、高津監督にも受け継がれている「野村ID野球」だろう。
亡くなるまでかの天才と比較しぼやいていたが、“凡人は考えろ”というのに尽きる。相手のデータはもとより、自分の役割、一球ごとの状況、そして最終的には財より人を残すことを。
そんななか、やはりヤクルトと阪神の戦いを「教え子対決」とみなす記事も出てきた。(9.27付デイリースポーツ「高津ヤクルトと矢野阪神のマッチレース よみがえるノムさんの言葉」)
両チームともに長らく優勝から遠ざかっていたが、穴埋めではなくマネジメントでチームを導き、“弱者の兵法”の真価を問うてくれたら凡人としては嬉しい。
妻「でもつば九郎はなんであんなふうに育ってしまったんだろうね」
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