コラム執筆『ある殺人、落葉のころに』

202102/22

連載コラム「映画道シカミミ見聞録」2月分が掲載されました。1月分は書けなかったので、2021年最初のコラムです。

第53回|映画『ある殺人、落葉のころに』感想評価と考察解説レビュー。三澤拓哉監督が描く“現代の歪な物語”からの救済のメタ構造

映画サイトCinemarcheにて連載中

“ある殺人”についての断章。湘南・大磯を舞台に4人組が紡ぐ真偽不明、摩訶不思議な物語。個人的にいま“ポスト・トゥルース”といわれる現代を問うていたので、折よく公開された本作に大きなヒントをもらいました。

ネットに散らばる情報を組み合わせて無数の物語を作り、次々に支持者を取り込んでいく目下の情況には恐ろしさを感じますが、そもそも映画はモンタージュで似たような効果を狙ってきたではないかと、改めて気づかされます。

「メディアリテラシー」という言葉の裏を返せば「反省の歴史」がみえるわけであり、早い段階から断片的イメージのはらむ危険性に自覚的であった映画に立ち返ることで、なにか答えが見つからないかと最近は考えています。

多義的な本作を考察することは、このような思いを補強し、発展させてくれました。鑑賞後、不可思議な感覚の余韻に浸りながら、ぜひご一読ください。

ありがとうございます!

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