引っ越し見聞録④

201908/13




武蔵小山温泉。私が、最初に目をつけた場所。


歴史ある銭湯「清水湯」は、銭湯ではない。温泉である。すなわち、銭湯料金で入れる温泉。


驚いたのが、2種類の温泉があることだ。“黒湯”と“黄金の湯”。ビバ!!


しかも水風呂まで黒湯。サウナ後、ずっと入っていられる。


とても気に入ったので、歴史を調べてみると、温泉は掘り当てたものだとわかる。(当然だが。)


これは二代目の話。

このまま銭湯を続けるより、他の銭湯がしていたようにマンションにしてしまおうかと真剣に考えていたということでした。

しかし腹を決めて最後の賭け、つまり品川に温泉が出るなど誰も想像したことのない“伸るか反るか”の大勝負に打って出たのです。

当時、大田区などでは黒湯はありましたが品川には出ないと言われていました。

平成6年に第一源泉の天然黒湯温泉の採掘成功。その賭けは見事的中したわけです!

清水湯HPより


勝負師、二代目。「品川には出ない」と言われていたのかと、意外に思う。


温泉が湧出した当時、母親が食事中、急に大笑いをしていたことを思い出します。よっぽど嬉しかったんでしょう。


その光景が目に浮かぶ。品川に出たんだから。


「母親」と書いてあるが、これを書いているのは長男で、つまりは三代目。太郎さんと言うらしいが、いい仕事をしている。


「そうだ2つ温泉があってもいいじゃないか」と平成19年に第二源泉の黄金の湯を掘削したところ、都内屈指の療養泉が湧出。


“黄金の湯”の誕生である。「そうだ2つ温泉があっても~」との発想は、じわじわと胸に響くものがある。

かつて岡本太郎が「グラスの底に顔があっても良いじゃないか」とCMで言っていたことを思いだす。

ロバートブラウンの“顔のグラス”


そう、ない理由は、ないのだ。なんでもあってもいいのだ。


清水湯は、とてもいいところ。

コメントを残す