引用日記まとめ1(サン=テグジュペリ)

201008/12

引用日記のテーマ「生命」2010年08月12日(最初の引用)

 

サン=テグジュペリ『人間の土地』、新潮文庫より

 

疲れたときにはサン=テグジュペリの『人間の土地』を読む。引用するだけでも元気が出るので、いくつかの文章をツイートしてみる。

 

「このようにメルモスは、砂漠を、山岳を、夜間を、海洋を、開発した。彼は一度ならず砂の中、山の中、夜の中に落ちこんだ。しかも彼が帰ってくるのは、いつもきまってふたたびまた出発するがためだった。」

 

「ある一つの職業の偉大さは、もしかすると、まず第一に、それが人と人を親和させる点にあるかもしれない。真の贅沢というものは、ただ一つしかない。それは人間関係の贅沢だ。物質上の財宝だけを追って働くことは、わが牢獄を築くことになる。」

 

「完成は付加すべき何ものもなくなったときではなく、除去すべき何ものもなくなったときに達せられるように思われる。」

 

「ぼくには、何の後悔もない。ぼくは賭けた。ぼくは負けた。これはぼくの職業の当然の秩序だ。なんといってもぼくは、胸いっぱいに吸うことができた。爽やかな海の風を。」

 

ここでコメント。1944年、サンテックを乗せた偵察機は地中海上空で行方不明になる。死の瞬間、「ぼくは賭けた、ぼくは負けた、何の後悔もない」と念じたであろう飛行士を想像すると、胸が熱くなる。

 

「危険ではないのだ、ぼくが愛しているものは。ぼくは知っている、自分が何を愛しているか。それは生命だ。」

 

「ぼくがいま悩んでいるのは、スープを施しても治すことのできないある何ものかだ。ぼくを悩ますのは、その凸でも、凹でも、醜さでもない。言おうなら、それは、これらの人々の各自の中にある虐殺されたモーツァルトだ。」

 

虐殺されたモーツァルトという言葉を目にしたとき、少なからず衝撃を受けた。子供は誰もがモーツァルトのような輝きをもっている。自分自身、子供とよく接しているので、彼らの「天才」ぶりには何度も驚かされている。それらが、どこかの時点で、「虐殺」される。胸に突き刺さるレトリックだ。

 

そして最後の一文。

 

「精神の風が、粘土の上を吹いてこそ、はじめて人間は創られる。」(サン=テグジュペリ『人間の土地』)