第47回 パンフをもって飛んでった

201804/28

 

完成したパンフレットをキャリーバッグに詰め込んで、私は博多へと飛んだ。

 

 

ひと仕事を終えてホテルに戻り、一杯やりながら次の日のフライトを確かめると、酔いではなくてクラっとする。

 

 

私は、たしかに、羽田を目指していたのだ。「東京→福岡」の復路として「福岡→東京」を予約したはず。「福岡→千葉(成田)」ではない。

 

千葉よ……「東京」ディズニーランドほか空港にも網を張って私のような粗忽者を捕えていたとは!

 

 

成田に降り立った私は、ひと休みついでに観光も許されようと周囲の人気スポットを検索し、その結果「イオンモール成田」か「成田山」かの選択をせまられた。どちらも気になるが足は迷いなく新勝寺に向かっていた。

 

参道を進みながらはるばる道中をふりかえる。高度を下げる飛行機、眼下に広がるのはビル群ではなく田園風景、タラップを降りて歩かされるは第3ターミナル。文字通り陸上トラックを模した通路を駅に向かってひた走る。いくつもの休憩所を通り過ぎてようやくホームを視界にとらえると、同時に「単線」という表記が目に飛び込んでくる。

 

単線。相対する方向への列車を1つの線路のみで運行する区間。驚いた。世界への玄関が、上下線を共有している。見ると次の快速上りは30分後…。

 

空港に向かう列車をただひたすら見送りながら時を過ごした。(カフェといった洒落たものはない。)

 

 

そうして成田駅にたどり着いたころには、十分に食べたはずの博多ラーメンもすっかり吸収され、腹ペコだった。参道沿いのお店を見やると、だいたいが「うなぎ」か「せんべい」で、どちらも手が出ない。空腹を抱えたままに新勝寺の門前を見上げていた。

 

折しも開山1080年祭が開かれようとしていたが、その手の話は大本山の公式HPか歴史好きに任せたい。私はぼんやりする頭でチェン・カイコーの新作『空海』は『黒猫』であるべきだったと、当初の疑問を蒸し返していた。

 

 

しかし境内に踏み入れてみると、食事も忘れて時を楽しめた。自分の興味は本堂や大塔より裏手の公園にあったが、ここに掲載するのはその一部である。図らずも当地に到着したときの参考にされたい。