第44回 ワイヤレスイヤホンを買ってみた(2台目)

201802/24

 

二台目のワイヤレスイヤホンを購入した。アップルのAirPodsは自分のライフスタイルに革命をもたらし、“線のない生活”の心地よさを十分に教えてくれるものであったが、 手持ちのウォークマンには対応していないことが唯一の難点だった。そこでソニー初の完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000X」を買い求め、心ゆくまでハイレゾ音源を味わおうと思っていたのだが……。

 

 

誤算が二つあった。一つはこの機種はハイレゾ非対応であること。もう一つは、ウォークマンと接続すると音割れを起こすこと。なぜだ、ソニー!! ソニー(再生機)×ソニー(イヤホン)で相性は最高ではないのか!

 

 

逆に外箱には「Made for iPhone」の文字が。いいのか、ソニー!! ユーザー思いとはいえ、商売敵だぞ!

 

というわけで、当初の目的からは離れてiPhoneにつないでみることに。すると確かに音は良い。AirPodsとは比較にならないほど綺麗に、厚みをもって豊かに響く。また、多くのBluetoothイヤホンではイコライザー設定が無効になるところ、WF-1000Xは専用のアプリをインストールすれば音色をアレンジできるようになっている。

 

 

そしていちばん予想外の驚きを与えてくれたのは、ノイズキャンセリング機能であった。その存在はかねてから知ってはいたが、日本製品によくある「余計でいらない機能」だと思っていて、これまで距離を置いてきた。今回はじめて使用してみて、その効果を思い知った。周囲の音が消える。雑踏の喧噪も、電車の振動も、耳栓をしたように小さくなる。それで音楽を聴きながら歩いていると、まるでミュージックビデオの世界に紛れ込んだような感覚にとらわれた。

 

目は画をうつし、耳だけは音楽を聴き入れる。実に奇妙な体験だ。はじめは“MVごっこ”のつもりでノリノリで足を進めていたが、次第に怖くなってきた。すべての車が静音で背後から近づき、気づくと至近距離に来ているというのは生きた心地がしない。また通勤電車が突如停止した場合には、それが事故なのか信号待ちなのかわからない状態がつづき、不安でストレスにもなる。(小田急は“渋滞”でしょっちゅう速度を落とすので気が気でない。AirPodsではアナウンスが聴こえていた。)

 

これは屋外で聴くには危険かも……だが屋内専用とすればワイヤレスの恩恵が得られなくなる。一応、「ノイズキャンセリング・キャンセリング機能」はついてはいるが、機器の性能を制限するようであまり使いたくない。そうなると、カフェなどで作業するときに使用するのが、もっとも適当だと言えるだろう。

 

当初の目的、ウォークマンを完全ワイヤレスイヤホンで楽しむというのは持ち越し。ハイレゾ対応のワイヤレス・ヘッドホンは発売されているが、それでは理想とする「寝返りを打ちながら音楽を聴く」ことができない。しかし、ソニー製品がウォークマンと相性が悪いとは、勉強になった。